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    「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりはだれができるんだ?」

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       「勝手に」勝新の弟子になったという田崎健太による、本格的な勝新太郎の評伝『偶然完全 勝新太郎伝』、一息に読んだ。
      コーヒーを入れに行く時間以外はずっと椅子に座りっぱなしで読み耽った。

      著者の田崎さんは週刊ポストの記者時代に勝新と最後の数年間一緒に過ごした人で、勝新を直に知っている数少ない人。
      彼が勝新の本を書いたきっかけは、「勝が不当に軽んじられている」と感じたことだったよう。
      若い世代は勝のことを忘れ、石原裕次郎の二十三回忌は大々的に報じられたのに、勝の十三回忌はほとんど報じられなかった。
      確かに、裕次郎と比べて知名度は低いかもなあ、と思った。
      で、そんな中、勝新と親しく付き合ったことのある人の手による伝記が出た、というのは、勝新に興味を持つ若輩者としては非常に嬉しいことです。


      作者のアツい思いはもちろん、勝新太郎という男の人たらしっぷり、どれだけ「勝新」が人々に愛されていたかが伝わってくる一冊だった。
      勝新が凄いのは、普通なら嫌われ見捨てられて当然の様な行動を取っていても、なぜか許されてしまうところ。
      朝まで飲むのは当たり前、それで遅刻も当たり前、台詞は覚えてこない、すぐに怒る、なのに「勝っちゃんなら仕方ない」と許されてしまう。まさに人たらし。
      本にも書いてあったけど、勝新は彼の代表作『悪名』の朝吉にそっくりだ。気風が良くて、腕っ節が強くて親分気質だけど弱い者の味方で、卑怯な手で弱者を苛める人間は決して許さない。

      感動した台詞がある。
      「騙したい奴には騙されてやればいい」
      どんなに怪しげな人間相手でも、この精神で臨んだらしい。人を疑うことを極度に嫌った。そしてそのせいで、本当に騙されてしまうこともしばしばあった。

      それから、クラブで渡すチップが多すぎることを気遣った付き人が勝手にチップを少なくして渡したことが判明したときの台詞。
      「おい、俺がなんでチップをあげているのか分かっているのか?俺は勝新太郎だ、すごいだろうって渡していると思っているのか?分かるかい?俺の周りは、みんな俺のお師匠さんだ。教科書だ。あれは授業料なんだ。馬鹿野郎。それをけちる奴がいるか」

      借金を抱えて会社が倒産して報道関係者に追いかけまわされているときでも、可愛がっている若者が苦境にあると知ると、その人のために新たに借金をして渡したという。

      そういうことが、恩を着せる訳でもなく、本心から自然に出来る人だったんだろう。
      そこには勿論、自分が「勝新太郎である」という意識から来るポーズもあっただろうけど、それも含めて嘘が無い。

      読んで思ったのは、勝新は朝吉に近いけれど、朝吉よりもっともっと精神的に弱い部分や、イメージに反して繊細で神経質な部分があったんだろうな、ということ。
      そして、そんな部分があるからこそ更に人に好かれたんだろうなあ、と思った。
      私も、そういう部分が見えるから勝新ってカッコイイ、と思ったのを覚えている。

      あと、本筋からは外れるけど、田中徳三は陽で三隅研二は陰、という話も面白かったな。
      監督の性格まで気にして観たことはなかったけど、なるほど言われてみるとそういうところも影響するのかも。興味深い。

      市川雷蔵との話は、もっと読みたかった。
      同期なのに、最初からスターとして特別扱いを受けていた雷蔵と、10年近くもヒット作を持たなかった勝新と。
      二人を見てると、自分に合ったことをすることが大事ってのがよく分かる。
      二人が同時にデビューした『花の白虎隊』を観た時、話が詰らないのもあるけど、勝新の個性がまるで活かされてなくて、最初は誰だか分からなかった(笑)。白塗りで眉を書いてつけまをつけた勝新太郎。そりゃ売れないわ。
      でも、もし雷蔵はそれが滅茶苦茶サマになっている。どっちがいいとかじゃなくて、合うことをやるべき。
      雷蔵も勝新も両方好きだな〜私は。

      「雷蔵が亡くなったと聞いたとき、勝は頭の中で雷蔵がふっと笑ったような気がした。雷蔵が手鏡に顔を近づけて、指先と毛筆で化粧する姿が勝は好きだった。大映の俳優会館の廊下で、白檀のようなあ香りがすると、少し前に雷蔵が通ったのだと分かった。もうそうした匂いはしないのだと寂しくなった。」


      石橋蓮司・原田芳雄の話がちょこちょこ出てくるのも嬉しかった。
      http://www.youtube.com/watch?v=sV2fOZlGaaw

      最後に、田崎さんが言われた言葉を引用。
      「『(・・・)いずれ俺が必要でなくなる時が来るだろう。その時は、何も言わず、離れていけばいい。無理に此処へ顔を出さなくてもいい。俺は何とも思わない。それでいいんだよ』冗談で言っているのだと思って勝を見ると、真顔だった。」

      カッコイイことを言うよな。そして愛がある。
      8sevenstars8 * 評伝・自伝 * 13:14 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

      酔客万来

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        ちくま文庫今月の新刊。
        雑誌『酒とつまみ』編集部の皆さん(当時の編集長タケさん、カメラマンのサイさん、編集者ナベさん、アシスタントのY子さん)が、酒飲み有名人のところに押しかけて、一緒に酒を飲みながらインタビューした「集団押し掛けインタビュー」。
        押し掛け先は、中島らも、井崎脩五郎、蝶野正洋、みうらじゅん、高田渡の5人。

        おもしろかった〜!!!!!
        まず、羨ましい。
        私もこんな企画に参加させて貰いたい・・・!!!

        第一回、中島らもの回。
        冒頭のらもさんのゆるい笑顔を見てるとなんか泣けてくる。天使みたいな人だ。
        タケさんが、だんだん酔っ払ってきて仕事を忘れ(?)、インタビューじゃなくて人生相談をし始めるあたり、逆に面白かった。
        対談でも正式なインタビューでもない、初対面の人との飲み会のときのらもさんの雰囲気を味わえたのも面白かった。内容自体は大体読んだことあるものなんだけども(笑)。
        でも、「らもサン、最後まで酔ったようには見えなかった。」という最後の一文が気になる。
        強すぎてアル中になるタイプというのは、こういう人だな!

        それから、蝶野正洋の回の、プロレス界の飲酒量の話が強烈だった。
        「ワインをヤクルトのように飲む」とか、「ピッチャーにブランデーとワインを混ぜて飲む」とか「樽でビールを2,3本」とか。すごすぎ笑。
        そういう下らない意地を張るところがいかにもレスラーっぽくていいわ〜。
        「飲めねえ男は男じゃねえ」みたいな(←現実世界でこういうこと言う人は嫌いだけど)。悪酔いしたなら吐いても飲む。体壊しても飲む。
        病気になっても記者会見ではビールを飲む(これは勝新か)。みたいな。
        最近のアメリカ人レスラーが体重管理に煩い、ってのも、かなり「最近のアメリカ」のイメージ通り。健康狂で、計算して管理するイメージ。
        私もサモアン派だわ〜。

        一番笑ったのはみうらじゅんの回。
        ヤンキーがホーネン大好き、って話は爆笑だった。
        ヤンキーに憧れるけどなれない、変態に憧れるけどなれない、基本的にオタク・文化系。
        みうらじゅんのこういうとこが凄い好きで、共感する・・・。
        自分がまともな事がコンプレックスで、変態として認められたいから女装して大学に通い続けたけど結局「どんなけ頑張っても変態の部門では天才になれない」と気付いて悔しかったってくだり、ホントに共感する・・・。
        私もマトモな人間であることが物凄いコンプレックスなんだ・・・。
        大体「変態になりたい!」とか「ヤンキーになりたい!」とか、言ってる時点で絶対無理なんだよね。
        そうなってるものだからね。
        まあでも、マトモに生まれついてしまったものは仕方ない。平凡な人間だけど、文化系オタク気質を活かして頑張って生きて行こう、と、改めて決意しました。
        なぜなら文化系オタク男、みうらじゅんは滅茶苦茶面白いからです。

        ありがとう、みうらさん。笑。


        8sevenstars8 * エッセイ・その他 * 11:32 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

        バーレスク

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           公開時忙しくて観に行けなかったアギレラ主演の『バーレスク』が準新作扱いで推されていたので借りて観た。
           ストーリーは、カワイイ田舎の女の子が歌手を夢見て上京→成功、という超ありきたりなもの。
          アギレラの歌とメイクを楽しむためだけにある映画。
          たぶん、壮大なPVとして観るのが正解。笑。

          とにかく歌が凄い。
          ”BACK TO BASICS”のパフォーマンスを見て号泣したことのある私ですが、バーレスクでも(歌で)号泣。
          ぶっちゃけストーリーはありがちでとにかく浅くいし、ラブシーンはチープだし相手役の俳優は全然かっこよくないし(爆)、いくらなんでもスターになるのが急すぎるし、とか問題だらけなんだけど、全部目をつぶってあげられるくらい、とにかく歌がいい。
          初舞台で、踊り子仲間のニッキ(クリスティン・ベル)の嫉妬による嫌がらせのせいでバックの音が消えてしまうという大ピンチにも負けず、アリ(アギレラ)が即興で生歌を披露するシーンも、そんなシーンは絶対どこかで観たことあるぞ、と思いつつ、感動の涙が・・・!(笑)
           
          繰り返しになりますが、アギレラの歌を堪能するためにある映画でした。
          シェールの歌も良かったな。
           
          8sevenstars8 * 映画 * 18:48 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

          AKUTA&NAOKI

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             遅ればせながら、芥川賞・直木賞作品に挑戦!★
            といいつつ、円城塔さんは文春を買っただけでまだ読んでないのだけど。。

            ・田中慎弥
            新潮文庫『切れた鎖』から『不意の償い』と『蛹』、受賞作『共喰い』の、短編3つ読んだ。
            皆言ってるけど、文章上手い!
            古い小説を読みまくっている人の文体、という印象。
            『不意の償い』なんかは、主人公の妄想と現実が重なり合って混乱していく様子が、時に読みにくさを感じさせるようなうねうねした長文で誇張されて、訳の分からないところまで連れて行かれてしまう感覚になって、かなり面白かった。
            『蛹』も『共喰い』も、同様に上手いと思う。
            ただ・・・テーマが一緒すぎるんだよな〜。
            「結局同じことしか書いていない作家」というのは決して嫌いじゃないというより寧ろ好きなんだけど、その「同じこと」の内容は当然、好きになれるかどうかにおいてとても大事なポイントな訳で…。
            あまりに執拗にねちょねちょした粘膜系の話を続けられると、ちょっとキツいところがあるわ。笑。
            血の臭い(しかも新鮮でない、悪臭)に悪酔いしそうになる。

            マスコミが騒がなかったら、まず週間売り上げ第一位にはならなかっただろうな。
            ところであの騒ぎ方だけど、妙な持ち上げ方されて、なんだか田中さんが可哀相だった。  

            岩井志麻子の超リアル恋愛小説の読後感に似たものも感じるなあ。
            そういえば岡山・山口で近いし・・・。関係無いか?

            ともあれ、気になる作家になったので暇なときにでも、他の作品を読んでみようー。

            ・葉室麟
            文春文庫『銀漢の鎖』を読んだ。
            こちらは直木賞ではなく、松本清張賞を受賞したものらしい。
            なんとなく歴史小説が読みたくなって本屋に行ったら、平積みにされていたので購入。

            江戸時代の架空の弱小藩を舞台にした時代小説。ちなみに松平定信の時代。
            幼馴染だったが故あって絶縁状態となった郡方・日下部源吾と家老・松浦将監、そして幼馴染のひとりである、今は亡き友人の重三、の三人の友情が、死を前にする年齢を迎えて、身分も時も越えて、蘇る。
            そんな話。
            主人公の源吾も将監も白髪頭の50代なのだけど、回想シーンも盛り込んで、青春小説っぽさも入るのがとても良い!
            普通に感動した・・・。
            8sevenstars8 * 日本文学 * 18:41 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

            ニーチェの馬

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              『ニーチェの馬』 タル・ベーラ監督。 
              渋谷のイメージフォーラムで観て来た。

              予想はしていたけど、本当に疲弊した。
              6日間で一生を観てしまったような気分になる。

              風が轟々と吹く村で、延々続く、水汲み、ジャガイモ、着替え・・・。
              どう見てもただひたすら、終末へ向かっています。

              馬のダメダメなところは良かったな。

              いや、しかし、疲れた。
              映画館でしか見れない映画。
              私やっぱり、熱くさせてくれる映画が好きだ。
              8sevenstars8 * 映画 * 18:32 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

              忍法帖1 甲賀忍法帖

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                 山田風太郎の忍法帖シリーズ第一作目、『甲賀忍法帖』。

                二人の息子、竹千代と国千代のどちらに自分の跡を継がせるかで悩みに悩んだ徳川家康は、甲賀忍者と伊賀忍者の争いによってその決着をつけることにする。が、甲賀忍者と伊賀忍者は、400年以上もの間、互いに憎み合ってきた宿怨の仲。実力伯仲。そんな両忍者が本気で闘えばどうなるか・・・!?というお話。
                 
                山田風太郎には「奇想天外」という言葉が本当によく似合う。
                伸縮自在な体を持つ忍者、全身から血しぶきをまき散らす美人忍者、不死の忍者、邪眼持ちの忍者、等々。
                解説で浅田次郎も書いてたけど、本当にその世界に没頭できる作品って実はそうないんだよね〜。忍法帖、我を忘れて、時間を忘れて読み耽ることの出来る凄い本です。

                まーでも、私は朧のような、恋のために仲間を裏切る女にはめちゃくちゃイラついてしまうけど(笑)。好き合ってるのに敵同士、ということに苦しみながら、仲間は裏切れない・・・人が好き。
                そういえば山田風太郎、『奇想小説集』のときも思ったけど、結構女性蔑視発言多い。
                「やはりそこは女であった」みたいな。軽蔑してるというよりはそういう生き物だからこそ男が騙される、という文脈なのかな、という気はする。
                そんなのはどうでもいいことですが。

                めざせ、シリーズ全制覇!
                8sevenstars8 * 日本文学 * 02:20 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                預言者

                0
                   

                  『預言者』渋谷ヒューマントラストにて。
                  2009年のフランス映画(ジャック・オーディアール監督)で、その年のカンヌでグランプリを受賞らしいんだけど、日本での公開は今年から。

                  懲役6年をくらって刑務所にやって来たマリク(タハール・ラヒム)が、看守でさえ逆らえないコルシカマフィアのボス・セザール(ニエル・アレストリュプ)の命令で殺人を犯してから、その片腕になり、最後に裏切ってシャバに戻るまで、を描いてます。

                  いや〜。面白かった!!ここ最近観たマフィアものの中で一番面白かった!!!
                  最後までマリクが何を考えているのかよく分からなくて、そこが、百戦錬磨のセザールですら見抜けなかった理由だな、と感じて良かった。

                  そして、セザール役のニエル・アレストリュプの演技の素晴らしさ!!!

                  左:マリク 右:セザール

                  ある時は寂しく温和なお爺さんの様な表情も見せるのだけど、それで同情したりしてはいけない。彼が柔和な表情を浮かべた後は、恐るべき暴力の応酬が待っているのだ!!!!!
                  その転換が、暴れ者たちを一手に纏めて来た大物マフィアの威厳、恐怖で人を支配する独裁者の威厳を感じさせて、すごい迫力だった・・・。
                  絶対逆らえない、私…。
                  そして哀愁漂う最後のセザールも素敵だった。
                  またファッションもお洒落なんだなあ。長めの白髪を後ろに流し、金のネックレス。不良親父の魅力バッチリ。

                  褒めすぎかも知れないけど、ゴッドファーザーのマーロン・ブランドにも匹敵する演技だったと思うくらい凄かった。
                  うわ〜書いたらまたゴッドファーザーが観たくなってきた。

                  それからタバコがめちゃくちゃ美味しそうだった(笑)。
                  刑務所の中でスパスパやるタバコ、いいなあ美味しそうだなあ。

                  そういえばヴィットーリオ役の人がとてもカッコ良かったんだけど誰なんだろう。
                  8sevenstars8 * 映画 * 14:52 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                  どついたるねん

                  0
                     阪本順治監督のデビュー作(1989年)。
                    元プロボクサー赤井英和の自伝を元に作られた映画で、赤井本人が主演。

                    ボクシングが無ければ最低男、という私好みのパターン(笑)。
                    (赤井さん、演技じゃなくて素でこういう人なんだろう・・・。)
                    それが自分でも分かってるから、命を賭けて再起に臨む。
                    そういう熱さは大好きです。
                    後輩ボクサーにしなくてもいい牽制をしたり、余裕を見せるためにギリギリになって減量を開始して、ガムで唾液分まで落とす(←あしたのジョー!!)。
                    ・・・いいね。

                    それから音楽が良かった。古き良きJ−Popの香り。
                    男のアツい映画にふさわしくないという意見もあるらしいけど、寧ろアツイ男好みの音楽なんじゃないかって気がするよ。合ってると思う。新世界のイメージにも合ってるし(笑)。

                    そして原田芳雄、抑えた演技もカッコよかった〜!


                    8sevenstars8 * 映画 * 15:42 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

                    去年のリストと読書近況

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                      中学生に文学史など教えていると、ああなんか、年下には偉そうなこと言って説明しときながら読んでないの多すぎだろ、と自分を罵倒したくなる瞬間が何度もあって、かなり悔しくなったので、名前だけ知ってて読んでない(日本)、というやつは出来る限りこの一年で読んでしまおうと決意いたしました。

                      そのコンセプトに則って読んだ志賀直哉
                      芥川龍之介が私淑しているって言ってたような気もするしってこともあってまずは『暗夜行路』から。
                      陰々滅滅たる雰囲気でどろーり進む一代記、だと思ってたのだけど、ううううん、これは、文学部の嫌な言葉でいうところの「アクチュアリティゼロ」ってやつなんじゃ…と思ってしまった。

                      主人公の苦しみは、
                      ・なぜか結婚に失敗する
                      ・なぜか父親が自分に冷たい
                      というのが始まりで、その原因に自身の出生の秘密、すなわち「母親と(彼の大嫌いな)祖父との不義の子」があったと知ることで更に深まる。

                      これだけ読むと確かに苦しそうなんだけど、全体通して読むと、そんな息子でも一応は育ててくれて養育費も出してくれている父がいて、差別せずに接してくれる兄がいて、小説で生きて行くこともできていて、一目惚れした女性と結婚できて、何がそんなに不満なんですか?みたいな気分になる話なんである。。
                      いや、それでも主人公が苦しくて苦しくて仕方ない様子なら、甘えだ、なんて思わないんだけど、それほど苦しんでいる風でもない。
                      なんだか中途半端で、なぜこれがここまで名高い小説になったのか、イマイチ分からない。時代の風潮だろうか。
                      という疑問が沸いてきたので軽く調べてみると、心理描写やなんかよりも風景描写の上手さとか、その辺りの評価が高いみたい。ああそれならと、納得。
                      で、長編よりも短編の方に彼の真髄はあるのだ、なんてのもよく見かけたので、ちくま文庫の短編集を購入。有名な『小僧の神様』『清兵衛と瓢箪』等々読んでみた。
                      結果。
                      読み物として面白いけど、それ以上の感想は出てこなかった。
                      私と志賀直哉の相性は、どうやらあまり良くないようです。
                      でもやっぱり、こうやってちゃんと何冊か読んでから好き嫌いを決めるのは楽しいなあ。

                      唐十郎『佐川君からの手紙』
                      実は恥ずかしながら初挑戦の唐十郎。
                      これはー良かった!
                      フランスでオランダ人女性の肉を食らったことで有名な佐川一政との文通から始まる、幻想的な話。
                      現実と妄想が入り乱れて混乱させられて気持ちよかった。
                      ハンス・ベルメール狂いのシモンとフランスへ行った時の話も好きだ。四谷シモン。
                      集めよ。

                      町田康『スピンク日記』『耳そぎ饅頭』を、一気に読む。
                      スピンクは町田さんのスタンダードプードル。日に何度も写真を見てしまうくらいカワイイ。
                      これは買いです。
                      『耳そぎ饅頭』は30代の頃のエッセイ集。何度か爆笑。
                      突然「辻斬り」とか「尾張」とか混ぜるあのセンスが最高なんだよな〜。大好き。ほんと。
                      レポートが終わったら『権現の踊り子』を読もう。



                      以下、2011年に読んだ本&映画

                      ★Books
                      ・『インドへの道』 E.M.フォースター(瀬尾裕)
                      ・『不敬文学論序説』 渡部直己
                      ・『楢山節考』 深沢七郎
                      ・『山椒魚・逢拝隊長』井伏鱒二
                      ・『ノルウェイの森・上』 村上春樹
                      ・『ノルウェイの森・下』 村上春樹
                      ・『暴力団追放を疑え』宮崎学
                      ・『とっておき名短編』 北村薫&宮部みゆき・編
                      ・『苦役列車』 西村賢太
                      ・『生家へ』 色川武大
                      ・『奇想短編集』 山田風太郎
                      ・『明日物語』 阿刀田高
                      ・『夜と霧の隅で』 北杜夫
                      ・『ドリアン・グレイの肖像』 オスカー・ワイルド(福田恒存)
                      ・『生きてるだけで、愛』 本谷有希子
                      ・『さかしま』 J.K ユイスマンス(澁澤龍彦)
                      ・『シュルレアリスムとは何か』 巌谷國士
                      ・『シュルレアリスム』 パトリック・ワイドベルク(巌谷國士)
                      ・『世紀末画廊』 澁澤龍彦
                      ・『須永朝彦全集』須永朝彦
                      ・『乳と卵』 川上美映子
                      ・『彼方』 J.K ユイスマンス(田辺貞之助)
                      ・『紅い花』 ガルシン(神西清)
                      ・『ムッシュー・アンチピリンの宣言』トリスタン・ツァラ(塚原史)
                      ・『暗渠の宿』 西村賢太
                      ・『どうで死ぬ身の一踊り』 西村賢太
                      ・『人間ぎらい』 モリエール(内藤濯)
                      ・『怠けものの話』 ちくま文学の森シリーズ(オムニバス)
                      ・『名短編・ここにあり』 北村薫&宮部みゆき・編
                      ・『河童・或る阿保の一生』 芥川龍之介
                      ・『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』 谷崎潤一郎
                      ・『堕落論』 坂口安吾
                      ・『トオマス・マン短編集』 トオマス・マン(実吉捷郎)
                      ・『われらの時代』 大江健三郎
                      ・『火宅の人・上』 壇一雄
                      ・『火宅の人・下』 壇一雄
                      ・『辻が花』 立原正秋
                      ・『春の雪』 三島由紀夫
                      ・『クロック紹介』 フリードリッヒ・グラウザー(種村季弘)
                      ・『廃疾かかえて』 西村賢太
                      ・『一私小説書きの弁』 西村賢太
                      ・『心が雨漏りする日には』 中島らも
                      ・『中島らものたまらん人々』 中島らも
                      ・『武田麟太郎・坂口安吾・織田作之助 集』
                      ・『久生十蘭ジュラネスク』 久生十蘭
                      ・『牢屋でやせるダイエット』 中島らも
                      ・『アマニタ・パンセルモ』 中島らも
                      ・『中島らも烈伝』 鈴木創士
                      ・『永遠も半ばを過ぎて』 中島らも
                      ・『岸和田少年愚連隊』 中場利一
                      ・『根津権現裏』 藤澤清造
                      ・『ひざまづいて足をお舐め』 山田詠美
                      ・『オリムポスの果実』 田中英光
                      ・『さかだち日記』 中島らも
                      ・『異人伝 中島らものやり口』 中島らも
                      ・『くっすん大黒』 町田康
                      ・『外人部隊』 フリードリッヒ・グラウザー(種村季弘)
                      ・『空からぎろちん』 中島らも
                      ・『ヴァルザーの詩と小品』 ローベルト・ヴァルザー(飯吉光夫)
                      ・『ひとりっきりの戦争機械』 鈴木創士
                      ・『全ての聖夜の鎖』 らもん
                      ・『マダム・エドワルダ』 ジョルジュ・バタイユ(生田耕作)
                      ・『ギャング・オブ・ニューヨーク』 ハーバード・アズベリー(富永和子)
                      ・『女たち』 フィリップ・ソレルス(鈴木創士)
                      ・『逢う』 中島らも
                      ・『いねむり先生』 伊集院静
                      ・『アントナン・アルトーの帰還』 鈴木創士
                      ・『君はフィクション』 中島らも
                      ・『人間小唄』 町田康
                      ・『ぶらんこ乗り』 いしいしんじ
                      ・『奔馬』 三島由紀夫
                      ・『兎の眼』 灰谷健次郎
                      ・『戦前の猟奇残酷事件簿』志村有弘
                      ・『絶望の書』 辻潤
                      ・『自叙伝・日本脱出記』 大杉栄
                      ・『神の裁きと訣別するため』 アントナン・アルトー(鈴木創士)
                      ・『死霊の恋・ポンペイ夜話』 ゴーチェ(田辺貞之助)
                      ・『実録やくざ映画で学ぶ抗争史』山平重樹
                      ・『やくざ外伝 柳川組二代目』 猪野健治
                      ・『室生犀星集・童子 他』室生犀星
                      ・『忘れられた女神たち』 川本三郎
                      ・『スタア黄金時代』 淀川長治
                      ・『花のノートルダム』ジャン・ジュネ(鈴木創士)
                      ・『小さな部屋 明日泣く』 色川武大
                      ・『本と怠け者』 萩原魚雷
                      ・『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』 増田俊也
                      ・『性欲の触手』武林無想庵
                      ・『人を殺すとはどういうことか』 美達大和
                      ・『密林の語り部』 パルガス=リョサ(西村英一郎)
                      ・『崖っぷち』 フェルナンド・パジェホ(久野量一)
                      ・『へらへらぼっちゃん』町田康
                      ・『原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス


                      ★Movies
                      ・『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976 深作欣二)
                      ・『北陸代理戦争』(1977 深作欣二) 
                      ・『その後の仁義なき戦い』(1974 工藤栄一)
                      ・『青春の殺人者』(1976 長谷川和彦)
                      ・『仁義の墓場』(1975 深作欣二)
                      ・『岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説1』(2001 冨坂武志)
                      ・『蘇る金狼』(1979 村川徹)
                      ・『左ききの拳銃』(1958 アーサー・ペン)
                      ・『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009 ジョニー・トー)
                      ・『CURE』(1997 黒沢清)
                      ・『カリスマ』(1999 黒沢清)
                      ・『サテリコン』(1996 フェデリコ・フェリーニ)
                      ・『ジョニー・ハンサム』(1989 ウォーター・ヒル)
                      ・『レスラー』(2008 ダーレン・アロノフスキー
                      ・『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999 ペドロ・アルモドバル)
                      ・『難波金融伝 ミナミの帝王22 男たちの過去』
                      ・『県警対組織暴力』(1975 深作欣二)
                      ・『岸和田少年愚連隊』(1996 井筒和幸)
                      ・『のだめカンタービレ 最終章 後篇』(2010 武内英樹)
                      ・『地獄に堕ちた勇者ども』(1969 ルキノ・ヴィスコンティ)
                      ・『ブラック・レイン』(1989 リドリー・スコット)
                      ・『七人の侍』(1954 黒澤明)
                      ・『ミナミの帝王 金になる経歴』(2005)
                      ・『ノトーリアスB.I.G』(2009 ジョージ・ティルマン)
                      ・『夜になるまえに』(2001 ジュリアン・シュナーベル)
                      ・『モンガに散る』(2010 ニウ・チェンザー)
                      ・『ミナミの帝王1 トイチの萬田銀次郎』(1992)
                      ・『ミナミの帝王2 』
                      ・『悪魔が来りて笛を吹く』(1979 斎藤光正)
                      ・『ムカデ人間』(2009 トム・シックス)
                      ・『仁義なき戦い』(1973 深作欣二)
                      ・『死国』(1999 長崎俊一)
                      ・『恐怖』(2010 高橋洋)
                      ・『紀子の食卓』(2006 園子温)
                      ・『冷たい熱帯魚』(2010 園子温)
                      ・『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002 マーティン・スコセッシ)
                      ・『仁義なき戦い 広島死闘編』(1973 深作欣二)
                      ・『女囚さそり けもの部屋』(1973 伊藤俊也)
                      ・『女の賭場』(1966 田中重雄)
                      ・『ピラニア3D』(2011 アレクサンドル・アジャ)
                      ・『東海道四谷怪談』(1959 中川信夫)
                      ・『地獄』(1960 中川信夫)
                      ・『亡霊怪猫屋敷』(1958 中川信夫)
                      ・『怪談 累が渕』(1957 中川信夫)
                      ・『女賭場荒らし』(1967 弓削太郎)
                      ・『うなぎ』(1997 今村昌平)
                      ・『ミナミの帝王 システム金融』(1999 萩庭貞明)
                      ・『ミナミの帝王 アリバイ証明の罠』(1999)
                      ・『ミナミの帝王 金貸しの条件』(1993)
                      ・『ハーヴェイ・ミルク』(1984 ロバート・エプスタイン、リチャード・シュミーセン)
                      ・『カラヴァッジオ』(1986 デレク・ジャーマン)
                      ・『ブロウ』(2001 テッド・デミ)
                      ・『NINE』(2009 ロブ・マーシャル)
                      ・『エグザイル/絆』(2006 ジョニー・トー)
                      ・『新鞍馬天狗』(1965 安田公義)
                      ・『惑星ソラリス』(1972 タルコフスキー)
                      ・『鏡』(1975 タルコフスキー)
                      ・『座頭市 地獄度』(1965 三隅研次)
                      ・『クライ・ベイビー』(1991 ジョン・ウォーターズ)
                      ・『代紋 地獄の盃』(1965 松尾昭典)
                      ・『兵隊やくざ』(1965 増村保造)
                      ・『拳銃の町』(1944 エドウィン・L・マリン)
                      ・『用心棒』(1961 黒澤明)
                      ・『浪人街』(1989 黒木和雄)
                      ・『白夜』(1957 ルキノ・ヴィスコンティ)
                      ・『花の白虎隊』(1965 田坂勝彦)
                      ・『ゴモラ』(2008 マッテオ・ガッローニ)
                      ・『BIUTIFUL』(2010 アレハンドロ・ゴンザレス)
                      ・『ツリー・オブ・ライフ』(2011 テレンス・マリック)
                      ・『続・兵隊やくざ』(1965 田中徳三)
                      ・『眠狂四郎 殺法帖』(1963 田中徳三)
                      ・『パラノーマル・アルティビティ3』(2011)
                      ・『モハメド・アリ かけがえのない日々』(1996 レオン・ギャスト)
                      ・『波止場』(1954 エリア・カザン)
                      ・『ステキな金縛り』(2011 三谷幸喜)
                      ・『スティング』(1973 ジョージ・ロイ・ヒル)
                      ・『鬼火』(1997 望月六郎)
                      ・『大鹿村騒動記』(2011 阪本順治)
                      ・『恋の罪』(2011 園子温)
                      ・『アンタッチャブル』(1987 ブライアン・デ・パルマ)
                      ・『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1993 ベルナルド・ベルトリッチ)
                      ・『現代やくざ 人切り与太』(1972 深作欣二)
                      ・『ワイルド・バンチ』(1969 サム・ペキンパー)


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                      先週末

                      0
                         先週末、続けて観たのでまとめて更新。

                        ★『モハメド・アリ かけがえのない日々』(1996・米)。
                         監督はレオン・ギャスト。
                        1974年のアリVSジョージ・フォアマン戦、「キンシャサの奇跡」に至るまでを描いたドキュメンタリー映画。B.B キングやジェームス・ブラウンの情熱的なライブ映像も観れて、感動。ソウルってすごい。

                        前後関係をあまり知らずに観てしまったんだけど、なぜ「奇跡」かというと、アリは徴兵拒否による投獄で、数年間のブランクがあり、全盛期は過ぎた、と思われていた。対してフォアマンは乗りに乗った時の世界チャンピオン。
                        誰もがアリの敗北を、ひいては死までも予想していた。
                        それなのに!それなのに!!勝った!!!!!
                        いや〜これはすごい。感動した。
                        『あしたのジョー』を思い出して更に感動した。
                        フォアマンについてはあまり触れられてないけど、この人も凄いよな。調べたら安部譲二が彼の自伝を訳してるらしい。読んでみようかな。



                        ★『波止場』(1954・米)
                        マーロン・ブランドが観たくなって、借りて来た。
                        彼の印象的な瞳がよく映える、素敵な映画。
                        若い時のブランドは、本当にやりきれない感情を持った若者の役がよく似合う。


                        ★ステキな金縛り(2011)
                        新宿バルト9にて観て来ました。
                        三谷幸喜、大好きなんです。

                        休日の夕方からという時間のせいもあるのかも知れないけど、凄い混み方だった。大盛況。
                        名画座でお年寄りと昔の映画を観るときくらいの勢いで爆笑が起こってたし、人気あるんだな〜と思った。

                        とにかく豪華キャスト!
                        三谷幸喜っていつも「この人にこんな役をやらせたら面白いな〜」とか考えてる人な気がする。笑。
                        一瞬だけ出てくるドクターが唐沢寿明だったのは、「白い巨塔」を思い出して嬉しくなった。財前さーん!!
                        個人的にツボだったのが、阿部寛の突然のタップダンスシーンと、中井貴一のラブちゃんわしゃわしゃシーンでした。爆笑。

                        まだ観てない人へ、オススメです!
                        8sevenstars8 * 映画 * 16:14 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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